荒尾市本井手にて屋根の徹底修理
欠陥施工だらけの屋根修理です。
今回のブログは修理部分ごとに経過を写真で説明します。まず隅棟から・・・。
※この棟の積み方は最初からまちがっています。拡大してご覧ください。棟の土台が下から二段目の瓦より手前にあります。
これでは、水が棟の内部に浸入してしまいます。右上の写真をご覧ください。棟の内部は土だけです。
昔はこんな仕事をする業者が多かったものです。
現在屋根土を使うことが少なくなったので、このような仕事をする業者はほとんどいないと思います。
隅棟を解体して、積み直しの準備です。
瓦の下に敷いてあった屋根土も取り除き全てなんばん漆喰を使います。
土台を作り、なんばん漆喰がある程度固まるのを待って、瓦を積みます。 積み直した状態です。六本の隅棟を積み直しました。
〇谷部分の修理です
左上の写真をクリックし拡大してご覧ください。穴の開いた銅板にステンレス板が接着してあります。
家の方が自分で修理されたのかとたずねたところ地元の業者がした仕事とのことでした。
今までこんな仕事は見たことがありません。右上は、仕上げた写真です。四本の谷を修理しました。
〇次に軒瓦部分:そして身瓦です。
左上の写真を拡大してよくご覧ください。軒瓦がずれて雨樋にかかっています。
瓦を剥いで確認したところ、絶対に使ってはならない鉄釘が使ってありました。
昔はこのような業者が多く見られましたが、現在はいないと思います。
鉄釘を使えば、錆びで左のような状態になります。
これさえなければまだ二十年ほどは使えると判断して修理をします。
錆びた鉄釘を工具で取り除きステンレス釘と打ち替えます。
幸いにして、ヒビが入ったり割れて使えない瓦は三十枚程度でした。
軒先部分にはステンレスのセブン釘を打って風で持ち上がらないようにしました。
その数、全部で三百枚ほど・・・新品の瓦に交換したが仕事は早いのですが、使える瓦なので、そのまま使いました。
〇次に身瓦です。
身瓦には釘が一本も打ってありませんでしたのでこれが幸いでした。打ってあれば瓦を葺き替える以外に方法がありませんでした。
ご覧のとおり、瓦には隙間だらけです。雨が浸入しないよういに、全面の瓦をシリコンで目詰めしました。
〇棟土台部分の瓦からの雨水の浸入を防ぎます。
上の写真でお判りのとおり、棟の内部は土だけです。それもわずか2~3センチほど奥にあります。
そして棟の土台は2段目の瓦より手前にあるため雨水は確実に棟の内部に浸入している筈です。
本当なら積み直したいところですが、予算の関係もあって、これ以上雨水が浸入しないように接着剤で目詰めをしました。
H.29.12.1 完工です。